イベントレポートー「生成AIを使いたおすサービス設計会議」を開催しました

2024年3月18日、UXインテリジェンス協会(以下:UXIA)主催の無料イベント「生成AIを使いたおすサービス設計会議」が開催されました。その概要をご紹介します。

生成AIを使いたおすサービス設計会議

本イベントは「生成AIの実践」に特化した内容を提供することを目的として開催されました。

企業や個人の間で生成AIが使われ始める一方、日本ではまだ生成AIの構想に留まる議論が中心で、生成AIをサービスとして提供している事例が少ないのが実情です。そこで、生成AIを使った顧客体験やサービス設計について、生成AIの専門家や実践者による情報共有や意見交換の場として、本イベントが設けられました。

イベントでは、本協会の理事であり株式会社The GUILD 代表取締役を務める深津 貴之氏(以下、深津氏)、事務局長であり株式会社ビービット 執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者である藤井保文(以下、藤井氏)が中心となり、大きく3つのセッションが行われました。

セッション①生成AI×UXの基礎理論をつくろう

藤井氏が作成した「生成AIでサービスをつくるための基礎方法論」素案資料に対して、AIの専門家がフィードバックを行ない、その場で資料をアップデートする試みが実施されました。

「生成AI×UXの基礎理論をつくろう」全体構成

「生成AIでサービスやビジネスをつくり始める前の下準備」「生成AIをどのように組み込むことができるか」「サービスづくりのうえでの価値の生み方」について、デジタル庁 大杉 直也氏、株式会社ELYZA 野口 竜司氏、株式会社PKSHA Workplace 山本 健介氏、深津氏が、現場での実践経験などを踏まえて見解を述べ、議論が行なわれました。

以下の図は、セッション内で「生成AIを推進するための組織・チームのあり方」について交わされた議論の一部です。

「生成AI×UXの基礎理論をつくろう」アップデート前資料
(藤井氏が作成した「生成AIでサービスをつくるための基礎方法論」素案資料より抜粋)

「AIの専門家でチームを構成するよりも、企画者・実践者を集めることが重要である」という藤井氏の提言に対して「現場・経営の視点で異なる」「AIの専門家やITシステム管理の重要性」など、さまざまな論点が追加されました。

「生成AI×UXの基礎理論をつくろう」アップデート版資料
(AIの専門家のフィードバックを反映した、アップデート版資料より抜粋)

イベントの最後には、それぞれの意見を反映したアップデート版の資料が、参加者へ配布されました。

セッション②生成AI時代の「作り手」は何を学ぶ?無くなる仕事、生まれる仕事

生成AIによって生活がどう変わったか、どのような生活になり始めているかなどの示唆を得ることを目的として、藤井氏が生成AIの実践者・専門家に話を伺いました。

株式会社リクルート 小宮山 利恵子氏、株式会社日立製作所 矢野 和男氏、深津氏は「直接的な仕事ではなく実行している、生成AIに関連した学びやルーティーン」として以下などを挙げました。

  • 著名人の分身AIを開発し問いを投げかける
  • 生成AIを使ってプレゼンテーションスライドの一部を作成する
  • 半自動的に情報収集したり、コメントしたりする仕組みを作成する

また「生成AIに影響を受けてやるようになったこと」については、以下のような回答がありました。

  • 過去のAI関連の小説を読んだり、映画を観たりする
  • 現状ではAIができないことに取り組む(キャンプ、寿司修業、狩猟、運動など)

ヒアリングを行なった藤井氏は「(生成AIと)リアルを切り離すのではなく、リアルの場や自己学習において自己内省(に生成AIを活用)できると良いのでは」とコメントしました。

セッション③日本での生成AI実践事例、苦悩と成果

株式会社電通デジタル 有益 伸一氏、Microsoft Corporation 大森 彩子氏、株式会社リクルート工藤 照久氏、楽天証券株式会社 正田 康暁氏が、生成AI活用に関する自社の事例を紹介しました。

AIアバターと顧客体験の関係、ローンチまでの期間や開発プロセス、生成AIを推進するうえでの課題、社内に対するエバンジェリスト活動の取り組みなどが具体的に共有されました。

また、各セッションの間では、株式会社電通デジタル 有益伸一氏による対話型AIソリューション「ANNAI」、株式会社miibo 功刀雅士氏による会話型AI構築プラットフォーム「miibo」など、生成AIを使ったサービスに関する事例が紹介されました。

イベントの締めくくりとして、藤井氏は「(今回のイベントのように)専門領域の違う方々と多様な意見を出し合ったり、アウトプットを持ち寄りフィードバックをもらったりする機会が日常的にあると良い」と総括しました。

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