セミナーレポートー「大企業のDX・イノベーションをリードするUX人材とは?」を開催しました

2023年4月18日、UXインテリジェンス協会(以下:UXIA)主催の無料セミナー「UXIA Open Session 01「大企業のDX・イノベーションをリードするUX人材とは?」が開催されました。その内容を一部ご紹介します。

大企業のDX・イノベーションをリードするUX人材とは?

本オープンイベントでは、UXIA会員企業である三井住友海上火災保険株式会社 CXデザイン部長 CMO 木田浩理氏と、丸井グループ DX推進室 課長 伊藤真氏に「自社におけるUX・CXの重要度・注目度」「自社のUX人材育成の取り組みと考え方」「今後の展望と、UXIAへの期待や活用方法」についてお話しいただきました。

登壇者紹介

三井住友海上火災保険株式会社 CXデザイン部長 CMO 木田浩理氏

丸井グループ DX推進室 課長 伊藤真氏

モデレーター

UXIA事務局長(株式会社ビービット 執行役員CCO 兼 東アジア営業責任者)藤井 保文

自社におけるUX・CXの重要度・注目度

伊藤氏:弊社の経営理念のなかに「お客さまのお役に立つために進化し続ける」という言葉があり、お客さまにいかに喜んでもらえるか、という点に社員が強い思いを持っています。

このため、店頭のリアルの場におけるUXの視点は持てていると考えています。

ただ、デジタルやオンラインにおけるUXは途上段階で、その変革に向けた取り組みのひとつが「DX研修」です。研修の一環で、社員がノーコードツールでアプリケーションを作ることも。オンライン上でお客さまのお役に立つためにどのようなステップを踏み、どう構造化すれば良いかという入り口を知る機会にしています。「思っていたよりも簡単だった」という声をもらうこともあり、それによって、デジタルに対する社員や部全体の抵抗感を徐々に薄めることにつながっています。

木田氏:損害保険会社としての弊社の営業は、代理店へ足繁く通うスタイルを続けてきました。ところが、最近は代理店の競争が激しくなり、彼らの課題感を営業メンバーが捉えにくくなってきました。その中で、顧客の課題を捉えて解決するためには、営業メンバー自身がマーケティング的な発想やユーザビリティ、UX、デザイン思考、人間中心設計を身に着ける必要があると気づき始めました。

そこでCXデザイン部が発足し、まず取り組んだのは人材育成です。CXやマーケティングなどの基本をアプリで学べる仕組みをつくったり、藤井さんにも登壇いただきリアルな講義やディスカッションを行なう機会を設けたりしました。こうして生まれた約200人のコアメンバーが、全国に散らばって発信源となり、CX改善などの動きを始めたことで、お客さまの課題を営業メンバーが自ら改善できるように会社が変わり始めました。

また、これに伴い社内のCX人材認定制度もつくりました。社内資格として認められれば、人事上も記録され、賞与への上乗せなどにもつながります。こうした仕組みを、人事と一緒につくることなどが大事だと考えます。

自社のUX人材育成の取り組みと考え方

伊藤氏:私が所属しているDX推進室は、社長直轄の組織として、社員全員がUXの素養を持つことを目指しています。そのやり方のひとつがUX検定で、社員の受講を促進しています。同じ共通認識や知見を持つ人が増えることで、今まで時間がかかっていたプロセスを短縮できたり、よりクリティカルな提案になったりすることを目指しています。

木田氏:CXデザイン部をつくる際、社長直轄にしてほしいと頼み、経営企画部内にCXデザイン部をつくりました。経営企画という会社の真ん中に位置することにより、あらゆる場所にトップダウンかつ横串で機能できて動きやすく、さらにそれによって社内でも認知されていったと感じます。

人材育成を人事と一緒に進められたのも、CXデザイン部が経営企画部内にあったからこそだと思います。足りない人材は中途採用で集めながら、人材育成を進めており、2030年までに5000人のCX人材育成を目指しています。

今後の展望と、UXIAへの期待や活用方法

伊藤氏:悩んでいる方々と一緒に、悩みを分かち合うことができればと思います。対話をする中で、他社さまの取り組みが自分の会社に合いそう、やってみよう、などのつながりが生まれるかもしれません。UXIAに参加されている企業の方々との対話や、一緒に悩みをぶつけ合う機会があると良いなと思っています。

木田氏:UXIAに参加して、どの会社も同じような悩みを持っていると感じ、励まされることもあります。UXIAのようにUXを追い求める団体がベースにあり、またUX検定のようなものもあることで、社内の教育の仕組みに組み込むなどの活用ができており、ありがたいです。

イベントでは、事務局長 藤井が木田氏・伊藤氏にヒアリングをしながらより詳しい状況を伺ったり、参加者からのQ&Aを受け付けたりしました。

イベントの締めくくりとして、藤井は「大企業の変革を扱う立場の方で、UXやCXを重視している方を世の中から見つけることは大変です。一方で、UXIAにはそういう方々に入会いただいているため、(UXIAの中で)引き続き情報交換をしていただけると良いと思います」と話しました。

UXIAの活動に興味がある方へ

UXIAは、UXの重要性を学びながら、日本企業の競争力を強めるためにともに活動いただける法人会員様を募集しています。

・協会概要資料ダウンロードはこちら

・UXIAの活動内容はこちら

UXインテリジェンス協会
ご入会にご興味がある方へ

ご入会エントリーはこちら 説明会の開催情報はこちら 協会概要資料をダウンロード