先進事例レポートーSEGA XD「ゲームUXの社会実装」

UXインテリジェンス協会(以下:UXIA)では「分科会」を通して、国内外における高品質UX事例の発掘・共有や、UXインテリジェンスの実践知習得に向けた学習環境の整備などの活動をしています。

分科会の一つ「先進事例研究分科会」では、毎月定例会を開催し、国内外における高品質UX事例の発掘・共有に取り組んでいます。

2023年1月25日、第15回先進事例研究分科会をオンライン開催しました。その内容を一部紹介します。

SEGA XD 伊藤氏による「ゲームUXの社会実装」

第15回先進事例研究分科会では、株式会社セガ エックスディー 取締役 執行役員 COO 伊藤氏に、同社のフレームワークや事例を発表いただきました。

株式会社セガのグループ企業である同社は、エンターテイメントビジネスで培った「ゲーミフィケーション」をコアメソッドとするゲーミフィケーションカンパニーです。

ゲーミフィケーションとは「レベルアップ」などのようにゲームの要素を取り入れることで、ユーザーを熱中させる仕組みを指します。

同社が掲げるのは、エンターテイメントの民主化、社会実装。使いたく/使い続けたくなってお客さまに選択してもらえる、世の中にとって必須のエンターテイメントを創ることを目指しています。

中毒性を招くといったネガティブなイメージを持たれがちなゲーミフィケーションも、良い使い方をすれば社会のためになると同社は考えます。

今回の発表では、いかに人間の行動変容を促すかを考える上で同社が利用している、同社オリジナルのフレームワークを紹介いただきました。

このフレームワークでは、人間の属性と属性ごとの機能を分類しています。ターゲットに応じた訴求内容を検討したり、体験をデザインする仕掛けを考えたりする際に活用しているそうです。
SEGA XDのフレームワーク図
発表の中では、このフレームワークを活用した実証実験の事例も紹介されました。

たとえば、大阪府泉大津市と実施した防災関連プロジェクトでは「若者が参加したくなる避難訓練をどう創ればよいか」という問いに、ゲーミフィケーションのアプローチを取り入れて実証実験を行いました。
SEGA XDが大阪府泉大津市と実施した防災関連プロジェクトの様子
ゲーミフィケーション自体は従来から存在する方法論のひとつですが、表面的なテクニックを取り入れるだけではなく「人を動かす」という本質的な部分に着目してはじめて成功すると伊藤氏はいいます。

同社で大事にしているのは「衝動(=心が思わず動く体験)」というフレーズです。ロジックに沿ってものを創るだけではなく、感情的・情緒的な部分にも焦点を当てたアプローチによって、エンターテイメントを当たり前に実装していきたいという思いが込められています。

発表後は、事務局長 藤井が伊藤氏にヒアリングをしながら、フレームワークの具体的な活用場面などを詳しく紹介いただきました。

会員企業からは「ゲームにおける成功の基準は?」「フレームワークの理論と経験に相関はあるか?」などのさまざまな質問が挙がり、以下のような感想もありました。

・ゲームUXという特殊なUX領域の中で、他でも横展できそうな素晴らしい内容でした。

・質疑の部分でさらに話が深まって非常に面白かったです。ゲーミフィケーションが流行し始めた頃ワークショップに参加したりしたことがあり、改めて自社のサービスのUXの見直しにゲーミフィケーションのアプローチも必要かもしれないと思えました。

次回開催に向けて

次回の先進事例研究分科会は2023年2月。次回は株式会社メンバーズ ポップインサイトカンパニー 水谷氏が発表予定です。

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